分散投資できているつもり?相関係数で真実をチェック
本記事は当サイト4 段階教育構造を採用:コンセプト / 当サイトの計算方法 / 数字の見方 / 注意事項。
1. コンセプト
「卵を 1 つのかごに盛るな」は投資界で最も古い格言。しかし何が「異なるかご」?
答えは「多くの銘柄を買う」ではなく「低相関のいくつかの銘柄を買う」。
例:以下を購入したと仮定:
- TSMC(2330)
- UMC(2303)
- ASE Technology(3711)
- Silergy(6415)
一見 4 社の異なる会社。しかしこれらは半導体産業の 4 つの異なる段階 — 景気が良ければ皆上昇、悪ければ皆下落。実質的には「拡大版半導体 ETF」を買ったのと同じ。
**相関係数(Correlation Coefficient)**は「2 銘柄の値動きの類似度」を定量化:
- ρ = +1 完全同期
- ρ = 0 無関係
- ρ = −1 完全逆相関
理想的な分散ポートフォリオ:平均 ρ が0 に近いまたはマイナス。
2. 当サイトの計算方法
データソース
- ウォッチリスト / ポートフォリオ内の個別銘柄
- 日次終値 → 日次リターン計算(pct_change)
- 過去 252 取引日(カスタマイズ可能)
双指標同時計算
| 指標 | 特性 | 優位性 |
|---|---|---|
| Pearson ρ | 線形相関、正規分布仮定 | 業界標準、コミュニケーション容易 |
| Spearman ρ | 順位相関、分布を仮定しない | 極端値(フラッシュクラッシュなど)に対しよりロバスト |
両方を同時表示。両者の差が大きい場合、データに非線形性または極端値が存在することを示し、注意が必要。
主要アウトプット
- 相関行列(n × n、対称行列、対角線は 1)
- 平均相関係数 = 上三角全 pair の平均(対角線除外)
- 分散投資スコア:
- 平均 ρ < 0.3 → 🟢 高い
- 0.3 ≤ 平均 ρ < 0.6 → 🟠 中
- 平均 ρ ≥ 0.6 → 🔴 低い
- 高相関警告:任意の pair の ρ ≥ 0.85 なら警告リストに追加
- 最高 / 最低 pair
市場横断は不適
台湾株、米国株は別表示。理由:
- 取引時間が異なる(台湾株 9:00–13:30 / 米国株は深夜の台湾時間)
- 通貨が異なる
- 取引カレンダーが異なる(祝日)
混合計算は時区バイアスを生み、真の相関から乖離。
フロントエンドキャッシュ
- 同じ組み合わせは 15 分以内に再計算なし(モジュール層シングルトンキャッシュ)
- 手動で銘柄追加すれば即座に再計算
3. 数字の見方
ウォッチリストページ:分散度バッジ
サマリー行に小さなバッジが出現:
分散度 [高 / 中 / 低] [⚠ 3]
- 中央のレベルは「平均 ρ」の結論
- 右の赤点 + 数字 = 高相関警告(ρ ≥ 0.85)の pair 数
- バッジクリックで詳細展開:平均 ρ、サンプル日数、高相関 pair リスト、最高/最低 pair
ポートフォリオページ:完全ヒートマップ
ポートフォリオページ下部に「相関行列」セクションを追加:
ヒートマップ配色
- 深い赤 → 強い正相関
- 深い緑 → 強い負相関(稀だが極めて価値あり)
- 灰 → 0 に近い(理想的な分散)
4 象限の実戦判読
ヒートマップで探すのは緑と灰のセル、赤ではない:
- 一面の赤 → 全組合せが高度に連動、実質分散なし
- 赤と灰の混在 → 部分的に分散
- 全部灰または緑あり → 真の分散
高相関警告リスト
ポートフォリオページのヒートマップ下に ρ ≥ 0.85 の全 pair を赤色で表示。これは 2 銘柄がほぼ同一投資と等しいことを意味。推奨:
- 1 銘柄を除去
- または 2 銘柄を単一ポジションとみなしてウェイト調整
典型的シナリオ
| 状態 | 意味 | 推奨 |
|---|---|---|
| 分散度 高 + 警告なし | 真の分散 | 維持 |
| 分散度 中 + 1〜2 組警告 | 部分重複 | 重複 pair が同業種 / 同 ADR か確認 |
| 分散度 低 + 多数警告 | 偽分散 | 再配置、異業種 / 異資産クラスを追加 |
4. 注意事項
⚠️ Pearson の 2 つの仮定はよく破られる
Pearson の仮定:
- 線形関係
- 正規分布
株式リターンはこの両方を破ることが多い(厚い裾、歪み、極端事件)。そのため当サイトはロバストネス確認用に Spearman も同時提供。両者の差が大きい場合は警戒度を上げる — リターン分布に裾事件があるサイン。
⚠️ サンプル長は影響大
- N < 60 日:相関推定は極めて不安定、UI に
⚠ サンプル 60 日未満赤警告 - N = 252 日:業界標準、信頼性十分
- N > 500 日:構造的変化(M&A、事業転換)を含む可能性、近年の関連が希釈される
当サイトは 252 日デフォルト、調整可能。
⚠️ 相関 ≠ 因果
高相関は「A が上昇したから B も上昇」を意味しない。可能性:
- 同業種:景気循環で共に動く
- 同 ADR:TSMC(2330)vs TSM、実は同一会社の異なる取引所
- 同ファクター:両方とも米ドル指数の影響を受ける
原因を見つけてこそ意思決定可能。2 銘柄高相関で原因が「同 ADR」なら → 1 銘柄除去;原因が「同経済指標」なら → ヘッジが必要、除去ではなく。
⚠️ 高次元の多重検定
ポートフォリオに 20 銘柄あれば C(20,2) = 190 組の pair。両者完全独立でも、統計学上平均約 10 組が高相関に見える(α = 0.05 下の偶然)。そのため:
- 1〜2 組の高相関警告はノイズの可能性
- 5 組超なら配置を再検討すべき
現時点で当サイトは多重検定補正(ボンフェローニなど)を実装していない、これは将来の上級最適化。
⚠️ これは完全なリスク分析ではない
相関は「同期性」を示すが、以下は示さない:
- ボラティリティ(1 銘柄日次変動 1%、もう 1 銘柄 5% でも相関係数は同じ可能性)
- 裾リスク(極端事件下では全銘柄の相関が 1 に近づく、いわゆる「相関崩壊」)
- ファンダメンタルバイアス(両銘柄とも体力悪なら、ρ がいくら低くてもリスク分散にならない)
相関は分散投資の必要条件、十分条件ではない。
延伸閱讀
- 〈Sharpe Ratio:投資効率の測定〉
- 〈ベータ値とボラティリティ:1 つのチャートで個別銘柄リスクを把握〉
- 〈CVaR:本当に最悪 5% で何円損するか〉(Phase 1C 近日公開)