TL;DR: マルチファクタースクリーナー(/vip/screener)は 5 次元(財務健全性、相対バリュエーション、モメンタム、ボラ、時価総額)で条件を組み合わせ、フィルタ済み銘柄リストを取得。各ファクターを展開すれば閾値と算出式が見られる。「フィルタレシピを自作する」ツール。
コンセプト
なぜスクリーナー?
「PER < 15、ROE > 15%、低ボラ中型」のような具体的イメージがある時、2,000 銘柄を手動チェックは不可能。スクリーナーが自動化。
スクリーナー vs ランキング:
- ランキング:固定ソートのリスト(例:「外資純買付上位 100」)
- スクリーナー:条件を自分で設定、システムが残りをフィルタ
5 つのフィルタ次元
| 次元 | 測定対象 | 主要ファクター |
|---|---|---|
| 財務健全性 | 会社は健全か? | Altman Z(倒産)、Piotroski F(複合)、粗利率、ROE |
| 相対バリュエーション | 価格は妥当か? | PER パーセンタイル、PBR パーセンタイル、EV/EBITDA、配当利回り |
| モメンタム | 短中期トレンド強度 | 60 日モメンタム、RS(相対強度)、52 週高値からの距離 |
| ボラティリティ | リスクレベル | 年率ボラ、Beta、最大ドローダウン |
| 時価総額 | サイズ区分 | 絶対時価総額、流動性(20 日平均出来高) |
絶対値 vs パーセンタイル?
両方利用可能、状況次第:
- 絶対値(例「PER < 15」):直感的だがセクター差を無視 — 金融は 15 超え稀、ハイテクは 15 未満稀。全セクター共通閾値はバイアス
- パーセンタイル(例「PER 履歴 P30 以下」):セクター・銘柄固有履歴を自動調整、より公平だが安定には 5 年以上履歴が必要
初心者はパーセンタイル中心、ベテランは混合。
実践:CTSstock 上での読み方
/vip/screener を開く。3 つのエリア:
- 左パネル:5 次元、各次元に選択可能なファクターと条件
- 中央:フィルタ済み銘柄リスト + 主要指標
- 右上 Run ボタン:フィルタ実行(データ事前計算済、ほぼ即時)
4 つの戦略例
戦略 1:バリュー(安い優良企業)
財務健全性:Altman Z > 2.99(安全圏)
財務健全性:Piotroski F >= 7(複合高)
相対バリュエーション:PER 履歴 P30 以下(安い)
相対バリュエーション:配当利回り > 3%(キャッシュリターン)
期待結果:金融や伝統業界、成長株少。長期保有向け。
戦略 2:モメンタムグロース(強気トレンドに乗る)
モメンタム:60 日モメンタム > +20%
モメンタム:RS > 80
財務健全性:売上前年比 > 15%
ボラ:年率ボラ < 40%(過大変動回避)
期待結果:ブレイクアウトした小中型成長株。厳格な損切と組み合わせる(アラートシステムの「Sharpe < 0」を赤旗として使用)。
戦略 3:低ボラ防御(大変動回避)
ボラ:年率ボラ < 25%
ボラ:最大ドローダウン > -20%(過去 1 年で 20% 超下落なし)
財務健全性:ROE > 10%
時価総額:> 500 億 NTD
期待結果:大型ブルーチップ、業界リーダー。保守的配分向け。
戦略 4:押し目買い(短期コントラリアン)
モメンタム:60 日モメンタム < -25%(急落)
財務健全性:Altman Z > 2.99(倒産リスクなし)
相対バリュエーション:PBR 履歴 P20 以下(簿価比安い)
ボラ:20 日平均出来高 > 1,000 万株(脱出可能な流動性)
期待結果:ファンダ健全だが間違って売り込まれた銘柄。アラートシステムで赤旗が少ないことを必ず確認。
フィルタ結果のレビュー
実行後、リストを額面通りに受け取らない。推奨フロー:
- 件数確認。100+ なら条件が緩すぎ、< 5 なら厳しすぎ
- 任意銘柄の総評タブを開き、4 エンジン状態を確認
- アラートで過剰な赤旗の有無確認
- 機関フローで最近の買付/売却を確認
- 4 つすべて通った銘柄のみウォッチリスト追加
FAQ
Q:ファクター多 = 良い?
いいえ。多すぎると結果ゼロに(過剰適合)。フィルタあたり 4–6 ファクター、少なくとも 3 次元に分散させる。
Q:結果が直感と合わない理由?
よくある原因:
- 次元割当ミス — 例「ROE > 15%」をバリュエーション下に設定(財務健全性に属する)
- パーセンタイル vs 絶対混同 — 「PER < 15」と「PER P30 以下」では大きく異なるリスト
- 履歴不足 — 上場 1 年未満の銘柄は 252 日パーセンタイル計算不可、除外される
Q:結果エクスポート可能?
現状 UI 内ではない。今のところスクリーンショットや手動コピー。CSV エクスポートはロードマップに。
Q:なぜ一部上場銘柄が現れない?
デフォルトで 2 つのフィルタが ON:
- 流動性フィルタ:20 日平均出来高 < 10 万株 = 除外(脱出困難)
- 新規上場フィルタ:上場 < 1 年 = 除外(パーセンタイル系ファクターに履歴不足)
パネルで OFF にすれば全宇宙が表示。