TL;DR:流動比率、当座比率、インタレストカバレッジは会社の支払能力をチェックする 3 大指標。比率が低すぎる = 支払不能の可能性、投資前に必ず確認すべき。
基礎編
流動比率:短期内に支払えるか?
流動比率の公式:
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債
流動資産は 1 年以内に現金化可能なもの(現金、売掛金、棚卸資産)、流動負債は 1 年以内に返済が必要なもの(短期借入、買掛金)。
流動比率 > 1 = 短期資産 > 短期負債、理論上は支払可能。1.5 以上を推奨、一部の資産が一時的に売れなくても十分なバッファがあることを意味。
ただし高すぎる流動比率(5 以上)も必ずしも良くない — 現金が多すぎて活用されていない、または棚卸資産が積み上がっている可能性。
当座比率:本当に即現金化できるか?
当座比率は流動比率の厳格版:
当座比率 =(流動資産 − 棚卸資産 − 前払費用)÷ 流動負債
なぜ棚卸資産を引く?棚卸資産は素早く現金化できるとは限らないため。売れない在庫は倉庫の中ではお金にならない。当座比率は素早く現金化できる資産(現金、短期投資、売掛金)のみを計算するため、即時の支払能力をより反映。
> 1 を推奨 = 在庫販売に頼らずとも短期負債に対応可能。
インタレストカバレッジ:稼ぎは利息支払に十分か?
インタレストカバレッジの公式:
インタレストカバレッジ = 税引前・利払前利益(EBIT)÷ 支払利息
会社の営業利益が支払利息の何倍かを測る。インタレストカバレッジが 5 = 利益が利息の 5 倍、利息支払に十分余裕。
> 3 を推奨。1.5 未満 = 稼ぎがほぼ全額利息に消える、財務圧力大。1 未満 = 利息も払えない、非常に危険。
3 指標を組み合わせて見る
最も安全な組合せ:流動比率 > 1.5、当座比率 > 1、インタレストカバレッジ > 3。ただし業種ごとに基準が異なる:
- テクノロジー業:通常現金多、負債少、3 指標達成容易
- 建設業:棚卸資産(完成住宅)が大、流動比率高でも当座比率は低めの可能性
- 金融業:事業モデル自体が貸借、一般基準は不適用
重要なのはトレンド観察:3 指標が同時に下降し続けるなら、財務体力が悪化中、警戒度を上げる。
実践編:CTSstock での見方
/analysis/jp/7203(トヨタ自動車を例に)に進む- 上部の「財務比率」タブを選択
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- 流動比率、当座比率、インタレストカバレッジの過去データが表示
- 観察ポイント:
- 流動比率は 1.5 以上で安定しているか?
- 当座比率は > 1?流動比率が高くても当座比率が低い = 棚卸資産比率が大きすぎることを意味
- インタレストカバレッジのトレンドは上昇か下降か?
よくある質問
Q:流動比率が低い = 会社がもうすぐ倒産? A:必ずしも。一部業種(コンビニ小売など)は事業モデルの特性上、流動比率が本来低めだが、キャッシュフローは非常に安定。営業 CF と併せて判断が必要。
Q:インタレストカバレッジが適用されない会社は? A:無借金または極低負債の会社、支払利息がほぼゼロのため算出される倍率が非常に大きく(無限大すら)、この指標は参考価値が低い — 会社が利息を心配する必要が根本的にないため。
Q:どの指標により注意すべき? A:会社の負債が低ければ流動比率と当座比率が重要。会社が大量借入していればインタレストカバレッジが鍵。3 つを併せて見るのが最も完全。