ROE 20% は優秀か?まず履歴と同業分位を見る
本記事は当サイト4 段階教育構造を採用:コンセプト / 当サイトの計算方法 / 数字の見方 / 注意事項。
1. コンセプト
「この会社の ROE 20%」 — 優秀そうに聞こえる。しかし:
- 半導体業界平均 ROE 25% 超なら、当銘柄は普通
- 伝統産業業界平均 ROE 8% なら、当銘柄はスター
絶対値だけでは無意味。意思決定では「相対位置」を見るべき:
| 軸 | 質問 |
|---|---|
| 自身履歴分位 | 「会社が過去 X% の時期より良い」 |
| 同業分位 | 「会社が同業 Y% の競合より良い」 |
両軸を併せて見ることで、ある数字が優秀か平凡かが真に判読可能。
これは P0.4「相対バリュエーション分位」と完全に同じ哲学 — 範囲を全財務比率に拡張、PER/PBR/PSR/配当利回りだけではない。
2. 当サイトの計算方法
2.1 どの比率に適用?
全 30+ 項目、財務比率表の各行に分位バッジ:
- 収益性:粗利率、営業利益率、純利益率、ROA、ROE、デュポン ROE
- 支払能力:流動比率、当座比率、インタレストカバレッジ、CF 比率
- 財務構造:負債比率、財務レバレッジ、D/E
- 経営能力:各回転率、各回転日数、CCC
- キャッシュフロー:OCF/純利益、FCF
- 成長率:売上 / 純利益 / EPS / FCF YoY
2.2 双分位の計算
自身履歴分位 (H):
sample = 当銘柄の過去 20 四半期(〜5 年)の同名比率値
H = sample 内での latest_value のランク × 100%
同業分位 (I):
sample = 同 basic_info.sector + 同 year/quarter の全企業の当該比率
I = sample 内での latest_value のランク × 100%
2.3 方向性(重要)
すべての比率が「高いほど良い」わけではない:
| 方向 | 例 | カラー |
|---|---|---|
| higher_better | ROE、粗利率、流動比率、回転率 | 分位高 → 緑(良) |
| lower_better | 負債比率、財務レバレッジ、CCC、回転日数 | 分位高 → 赤(悪)カラー反転 |
| neutral | 配当性向(多配当が必ずしも良くない) | 灰色中立 |
フロントエンドバッジの緑・赤はこの方向に従って反転、緑を見ればそれが良い、自分で考える必要なし。
2.4 最新行のみ計算
履歴行は絶対値のみ表示。最新行のみ分位を適用、N × M クエリ爆量を回避。 これは決算読みのユーザー習慣にも合致:履歴トレンドは曲線で、最新の良し悪しはバッジで。
2.5 サンプル不足処理
- 同業サンプル < 8 社:バッジに ⚠ マーク
- 同業サンプル < 3 社:industry 分位非表示
- 自身履歴 < 4 四半期:self 分位非表示
2.6 同業定義
basic_info.sector 欄位(台湾証取大分類)+ country で TW/US 区別。
P0.4 相対バリュエーション分位と同じ「同業」定義、両者呼応。
3. 数字の見方
3.1 バッジの解釈
粗利率 51.23% [H72] [I88]
- H72:自身過去 72% の四半期より高 → 直近数四半期で粗利率が上昇中
- I88:同業 88% の会社より高 → 同業内で先行集団
- 結論:全方位で改善中、ファンダメンタルアップグレードシグナル 🟢
負債比率 38.2% [H45] [I15]
- direction = lower_better → 分位高 = 負債高め(悪い)
- H45:自身履歴上中間偏下の負債
- I15:同業内で下位 15%(大部分同業より負債低い)
- 緑色配色 → lower_better で反転済
- 結論:大部分同業より負債低、財務構造相対的保守 🟢
3.2 4 象限判読(最実用的)
| 自身履歴 | 同業 | 判読 |
|---|---|---|
| 🟢 高 | 🟢 高 | 全方位先行 — 構造的優良企業 |
| 🟢 高 | 🔴 低 | 自身改善中だが同業より強い — 業界全体離陸 |
| 🔴 低 | 🟢 高 | 自身後退だが同業に勝つ — 景気循環底値のリーダー |
| 🔴 低 | 🔴 低 | 全方位衰退 — 警告 |
3.3 他指標と組み合わせ
- 絶対値 + バッジを同時に見る:
- 比率絶対値で「いくらか」を把握
- バッジで「この値が文脈で良いか」を把握
- 複数項目を併せ見る:単項目高 ≠ 全体良好
- ROE 高だが財務レバレッジも高 → レバレッジで支える
- 粗利率高だが回転率低 → 高粗利だが資本効率悪い
4. 注意事項
⚠️ 同業定義の粒度が粗い
basic_info.sector は証取大分類(「半導体業」、「コンピューター・周辺設備業」など)、粒度は粗い:
- 半導体業内:IC 設計 / ファブ / パッケージ / IDM のバリュエーションロジック完全に異なる
- 電子部品:PCB / コネクター / 受動部品 / プリント基板すべて同業扱い
推奨:極端な分位(>95 または <5)を見たら自問:
- 本当に「同業より強い」のか?
- それとも「同業定義が広すぎ、実事業モデルが大きく異なる」のか?
⚠️ 自身履歴は構造変化で汚染される
会社が経験:
- 転換(伝統産業 → ソフトウェア)
- M&A(合併後の資産規模変化)
- 事業調整(低粗利製品ライン廃止)
過去 5 年履歴が新旧 2 種類の分布を混合、分位が参考性を失う。
この場合:
- 同業分位のみを見る
- または転換安定後に 3 年データを再蓄積
⚠️ 最新行は「現時点スナップショット」のみ
- 決算シーズン初に新比率未公告時、「最新行」が前四半期の可能性
- 同業が新四半期公告済、当銘柄未公告 → 比較基準が揃わない
当サイト UI は 最新期 2024 Q3 を表示、現在比較中の「同期」がどの四半期か明確に。
⚠️ 方向性デフォルトが完璧ではない可能性
- 回転率:一般に高いほど良いが、小売業で過高は「在庫不足、売れず安価販売」の可能性
- 配当性向:キャッシュカウ企業で高配当は良い;高成長企業で高配当 = 再投資機会なしの可能性
そのため「配当性向」は neutral 設定、他は明確な方向あり。ユーザーは業界知識と組み合わせ判読すべき。
⚠️ 分位は完全なファンダメンタル分析ではない
分位は「相対位置」のみ示し、以下は示さない:
- 会社が将来このパフォーマンスを継続するか
- 重大リスクイベントが醸成中か
- 経営陣が優秀か
分位は出発点であって終点ではない — 高分位を発見したら更に会社のファンダメンタル、業界動向、バリュエーション妥当性を研究。
延伸閱讀
- 〈PER 25 倍は割高か割安か?ヒストリカル分位と同業分位を見る〉(P0.4、相対バリュエーション)
- 〈Altman Z / Piotroski F / Beneish M — 3 つのスコアで企業の体力と誠実性を判断〉
- 〈ROE デュポン分析:会社の収益力を分解する〉
試してみる
- 銘柄分析 → 財務比率 を開く、各比率行横に 2 つの小バッジ
- 緑の H + I 共に高い行 = この会社の強み
- 赤い I の項目 = 同業に対し遅れ、原因究明
- 異なるカテゴリ(収益性 / 構造 / キャッシュフロー など)を切替、どの面が優位か確認
- 異なる銘柄を比較:値嵩優良株 vs 中小型投機株のバッジ分布は天と地の差