歴史的極端事件と集中性 — ブラックスワンには余震が伴う
本記事は当サイト4 段階教育構造を採用:コンセプト / 当サイトの計算方法 / 数字の見方 / 注意事項。
1. コンセプト
VaR / CVaR は統計的な裾を示すが、ユーザーが最も問うのは:「結局どの日が最悪?なぜその日に?」
これが「歴史的極端事件マーキング」の目的 — 過去 252 日内の最悪単日 10 件を具体的にリスト化、以下を組み合わせ:
- 当日大盤リターン — システマティック崩壊か個別銘柄固有事件か?
- 超過リターン = 個別銘柄リターン − 大盤リターン — 「どれだけ余分に下落したか」を定量化
- 集中性分析 — これら事件は均等分布か集中爆発か?
なぜ集中性を見る?
金融理論はしばしば「リターン独立同分布(i.i.d.)」を仮定 — 今日の下落と明日の下落は無関係。
現実は違う。株式市場には根深い現象:
ボラティリティ・クラスタリング:大変動後には通常また大変動が続く。
- 2020/3 COVID 崩壊:1 ヶ月内に −5% 以上が連続 5 回
- 2022/10 利上げパニック:2 週間内に 3 回急落
- 2008/9 リーマン事件:9〜10 月通して激しい変動
これは偶然ではなく統計的事実。本指標はこの集中性を定量化。
2. 当サイトの計算方法
2.1 事件選定戦略
1. 過去 252 日のシンプル日次リターン取得
2. 1% 分位を「極端」しきい値として計算
3. しきい値内事件数 < 10 なら最悪 10 件を取得(サンプル数保証)
4. 日付昇順にソート
デフォルトで 10 件 表示。
2.2 当日大盤リターン
_calc_risk_series の df から該当日の大盤リターン(market_ret)を直接取得:
- 台湾個別銘柄 → ^TWII 加権指数
- 米国個別銘柄 → ^GSPC S&P 500
2.3 超過リターン
excess_return = stock_return − benchmark_return
解釈:
- 超過 < −2% → 大盤はそれほど悪くないが個別銘柄がより激しく下落 → 個別銘柄固有リスク(決算ショック、顧客喪失、爆発など)
- 超過 ≈ 0% → システマティック事件(大盤も同時下落)
- 超過 > 0% → 相対強気(例:大盤 −3% でも個別銘柄 −1%)
2.4 集中性分析
mean_gap_days = 隣接事件間の平均日数
min_gap_days = 最短間隔
max_gap_days = 最長間隔
hottest_cluster = 30 日ローリングウィンドウ内の最多事件区間
独立同分布での理論期待:10 件事件が 252 取引日に均等分布 ≈ 平均 25 日に 1 件。 実際の平均間隔 < 15 日 → 明確な集中。
3. 数字の見方
3.1 事件リストの解釈
日付 個別 % 大盤 % 超過 %
2024-03-11 -6.20% -1.10% -5.10% ← 個別固有事件(超過大幅マイナス)
2024-03-13 -4.80% -0.40% -4.40% ← 同上
2024-03-18 -3.90% -0.20% -3.70% ← 同一クラスター内
2024-10-09 -5.50% -4.80% -0.70% ← システマティック事件(大盤同時下落)
実戦的推論:
- 3/11、3/13、3/18 すべて超過 < −3% → 個別連続自爆、業界悪材料の可能性(大口顧客の発注停止、半導体在庫調整など)
- 10/9 超過 −0.7% → 大盤も同時悲惨、個別問題ではない
この判読は単に「−5% 下落」を見るより遥かに有用。
3.2 集中性の読み方
| 平均間隔 | 判読 |
|---|---|
| > 50 日 | 🟢 事件希薄、独立分布に近い |
| 20〜50 日 | 🟡 一般銘柄の典型 |
| < 20 日 | 🔴 顕著な集中、ボラ・クラスタリング深刻 |
最熱クラスター — 頂部に 30 日内最多事件区間を目立つ表示。その区間に 4 件以上事件あれば:「構造的崩壊期」、個別ブラックスワンだけではない。
3.3 他指標と組み合わせ
- VaR / CVaR と相補:VaR は「統計的最悪 5%」、極端事件は「具体的にどの日」
- Jarque-Bera と相補:JB は「分布の厚い裾の深刻度」、極端事件は「裾が実際発生時の様子」
- 最大 DD と相補:MDD は最深 1 回;極端事件は「全大下落」の分布
4. 注意事項
⚠️ 事件選定の動的しきい値
当サイトは「1% 分位 vs 最悪 10 件」の厳しい方を採用。2 つの影響:
- 静穏期サンプル(2021 緩やかな強気年など):1% 分位が −1.5% かもしれず、「最悪 10 件」がそれほど極端でない
- 崩壊期サンプル(2020/3 以降の 252 日など):1% 分位がより負、事件がより「真の極端」
UI 開示:頂部に 臨界 X% 表示、現在サンプルの「極端」しきい値が分かる。
⚠️ 日次データは場中の極端を覆い隠す
当サイトは日次終値リターン使用。ある日場中 −8% 後に戻して −1% で引けたら、−1% としか記録されない、極端事件入りしない。
対策:P1C.1 CVaR(このような「境界」日を含む)+ ニュース確認。
⚠️ 超過リターンのベータ修正
当サイト超過 = 個別 − 大盤直接減算、ベータ修正なし。
- Beta=1.5 の銘柄、大盤 −3% で「正常」は −4.5%
- 純粋な超過のみ見ると「個別固有」と誤判定
学術的方法:CAPM 残差(個別 − Beta × 大盤)使用。ただし当サイトはシンプルさのため直接減算選択。
上級ユーザー:同ページ上部のリスクカードに Beta 情報、自分で暗算修正可能。
⚠️ 集中性は完全な時系列診断ではない
「30 日内 4 件事件」は集中だが:
- なぜ集中したかを語らない(ニュース・事業変化を見る必要)
- 次の集中がいつかを予測しない(GARCH モデルが必要、Phase 4 計画中)
- 最熱クラスターは過去発生済のもの、未来ではない
⚠️ ニュースリンクが未統合
元々 plan_v2.md は「各事件に当日ニュース付加」設計;本版は中核データのみ完成、ニュース関連は Phase 2 まで延期(news_d_tw_h 表 + 場中重大情報取得ロジック統合必要)。
⚠️ ウィンドウ固定 252 日
過去 5 年の極端事件はウィンドウ外で忘れられる。2020/3 COVID のある銘柄への衝撃を見たければ:
- 2022/3 以降の 252 日ウィンドウは COVID 期間を既に除外
- 別途長期ストレステスト必要(P2.3 計画中)
延伸閱讀
- 〈VaR vs CVaR — 本当に最悪 5% で何円損するか〉
- 〈Q-Q プロットと Jarque-Bera — リターンは正規分布か?〉
- 〈最大ドローダウン、Ulcer、Calmar〉
- 〈GARCH ボラティリティモデル〉(Phase 4 計画中)
試してみる
- 銘柄分析 → リスク を開き、「歴史的極端事件」までスクロール
- 事件リスト確認、超過リターン欄を観察(赤 = 個別固有下落)
- 頂部「最熱クラスター」と対照 — その時期が記憶上の市場大事件と一致するか
- 異なる銘柄を切替:堅実銘柄 vs 投機銘柄の集中性差は通常巨大
- 📐 をクリックして事件選定戦略、集中性公式を確認